バリオトラム
Variotram

バリオトラムは1997年にシドニーライトレールの開業と同時に運行を開始した、シドニー発の新型低床連接車両です。
ライトレールの顔として市民に親しまれていましたが、アーボス3によって 置き換えられ、2015年6月には全車両が引退しました。

バリオトラムは1997年のシドニーライトレール開業と同時にデビューしました。 シドニー初となるライトレールに相応しい、新型低床連接車両でした。
ボンバルティア製のバリオトラムは
5連接車体。
最高速度 80km。
電圧 750v
2101-2107の7編成が導入されました。
この車両番号はシドニーの最期の路面電車であったR1-Class 2087の続きとなっています。

1997年のライトレール開業時から活躍しており、バリオトラム(Variotram)として市民や鉄道ファンに親しまれていました。
2014年路線延伸に併せてアーボス2が試験的に営業を開始し、アーボス3がアーボス2と入れ替わりに導入されたことで 、シドニーライトレールはバリオトラム単体から複数車種による運行となりました。
バリオトラムは最新車両であるアーボス3と比較しても遜色のないバリアフリー車両であるため、 路線延伸後も引き続き活躍するものかと思われていました。



しかし、路線延長による必要車両数を超えても増備は続き、遂にバリオトラムはアーボス3に 置き換えらるようになりました。
置き換えのスピードは速く、僅か2年で全てのバリオトラムがシドニーライトレールから姿を消しました。

予想以上に早い引退となったバリオトラム。
車両性能、耐用年数、バリアフリーのどれをみても引退する理由が不明であり、この置き換えは 政治的な理由があるように思われます。


バリオトラム車内。

車内に段差は無く、ボックスシートが並んでいます。
座席定員は74名
車両定員は217名
テスト走行においては600人を収容することができました。

1997年のLRT車両としては比較的珍しい、、完全低床車両です。



かつてのシドニーライトレールのロゴ。

ちなみにシドニーにおいて行先表示に方向幕を採用している鉄道車両はこのバリオトラムのみでした。
2014年の改造によりLED式行先表示機に交換されたため、シドニーの鉄道から方向幕は姿を消しました。







ブランド名が”シドニーライトレール”から”メトロライトレール”に変更となり、 前面のロゴマークも置き換わりました。
(画像上)



変更途中と思われる、中央にロゴが張られていない車両もありました。
(画像下)

ライトレール延伸の頃には運行ブランドがコネックスよりトランステイブに変わったため、 ロゴも張り替えられました。


メトロライトレールのロゴは文字のステッカー貼りとなっており、時折画像のように 文字が剥がれてしまった車両もありました。


メトロライトレールのPRラッピング車両。

フィッシュマーケットなど沿線の観光施設等がラッピングされています。
先頭車両にはいかにも外国テイストな雰囲気漂う2次元イラストの女性乗務員が描かれています。


かつての”メトロライトレール”ブランドとして使用していた停留所看板。

ライトレール延伸による路線名変更に伴い、撤去されました。




セントラル駅にアプローチする陸橋を登るバリオトラム。




陸橋を登り、セントラル駅に入線するバリオトラム。
右端にシドニートレイン(当時はシティレール)のミレニアムトレインMsetが見切れています。




セントラル駅のライトレール発着線に進入するバリオトラム。




セントラル駅に停車中のバリオトラム。
かつて路面電車王国だったシドニーでは、この場所から様々な行先のトラムが発車していました。
その後路面電車は全廃となりましたがシドニーライトレールとして再びトラムが走るようになりました。




セントラル駅を発車したバリオトラム。




シドニーライトレールの立役者であったバリオトラム。
セントラル駅を発車する姿はあっという間に過去のものとなってしまいました。




パディスマーケット駅に入線するバリオトラム。
パディスマーケットのPR車両です。




エキシビジョンセンター駅付近を走行するバリオトラム。
車両基地への入出庫の関係で渡り線が設置されています。




コンベンション駅付近にて、モノレールとすれ違うバリオトラム。
バリオトラムとモノレールはオーストラリアの新しい交通機関として登場しましたが、 どちらも10年程で姿を消すことになるとは当時の人は想像だにしていなかったことでしょう




ジョンソンストリートスクエア駅付近を走行するバリオトラム。
都市部から打って変わって洞窟のような光景の中を走ります。




フィッシュマーケット駅付近のガーター橋を渡るバリオトラム。
貨物列車用の重厚なこの橋はLRTに転用され、軽量のバリオトラムには大袈裟なほどの軌道となっています。




重厚なレンガ造りの高架橋を走るバリオトラム。
かつて貨車を連ねた機関車が行き交っていた昔とは打って変わり、小さな路面電車が静かに走りまわっています。




トンネルを抜け、ジュビリーパーク駅に入線するバリオトラム。




ロゼールベイ駅に入線するバリオトラム。
高規格な旧貨物線区間を走行します。なお貨物線時代は非電化でした。




ロゼールベイ駅に停車中のバリオトラム。




ロゼールベイ駅を発車し、セントラル駅へ向かうバリオトラム。




リリーフィールド駅に入線するバリオトラム。すでに方向幕は折り返しのセントラル駅行きにセットされています。




リリーフィールド駅にて折り返し、セントラル駅を目指すバリオトラム。
ダリッジヒル延伸前はリリーフィールド駅付近は単線となっていました。




パディスマーケット駅付近の併用軌道を快走するバリオトラム。




コンベンション駅を発車したバリオトラム。




あまりに早すぎる引退となったバリオトラム。
車両は夜中に搬出され、現在もどこかに保管されているようです。
いつか日の目を見ることはできるのでしょうか…


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