ティルトトレイン
Tilt Train

ティルトトレインはクイーンズランド州の州都ブリスベンとロックハンプトンを
時速160kmで結ぶオーストラリア最速の振り子式特急電車であり、狭軌最速の列車です。

ティルトトレインはブリスベンからノースコーストラインを通り、ロックハンプトンまで結ぶ 特急電車です。
最大5度の傾斜ができる振り子式電車で、狭軌の振り子式では世界最速です。
ティルトトレインは日立製作所でJR四国8000系をベースに製造され、1997年に運行を開始しました。
ブリスベン~ロックハンプトンの620kmをおよそ7時間半で結びます。
この区間をかつて走っていたICEによるスピリットオブカプリコーンに対し、 所要時間が2時間短縮されました。
1999年の5月には試験運行でバンダーバーグにて時速210㎞を記録しました。


ティルトトレインは2編成が製造され、当初はブリスベン~ロックハンプトンをICEに よるスピリットオブカプリコーンの2本体制でした。
後に、ケアンズまで走る現在のディーゼル振り子車両のスピリットオブアウトバックがスピリットオブカプリコーン を置き換えました。

座席は2+2のエコノミークラスと2+1のビジネスクラスがあります。

ティルトトレインは6両固定編成です。
先頭から、
クロ+モハ+サハ+サハ+モハ+クハ





ティルトトレインの塗装は何回か変更されています。

一番上の画像は、元となったJR四国8000系です。
流線形のデザインが新幹線を思わせます。

2番目の画像は、試作段階のモックアップです。
先頭形状は流線形を維持していますが、長さが短くなっています。
塗装はステンレス地に赤茶色の帯に変更となりました。
このモックアップはブリスベン近郊のイプスイッチ鉄道博物館に保管されています。

3番目の画像
2006年にリニューアル工事を受け、その際に塗装も変更したと思われます。
赤茶色の帯を細くし、その下に黄色の太帯を追加しました。
先頭車両では、運転台付近より赤茶色の帯と黄色の帯を交差させ、車両前面は 下半分が黄色となりました。

4番目の画像
2015年、再度リニューアル工事が施されました。
塗装は簡略化され、側面窓下の帯は全て撤去、運転台付近は全面黄色一色になりました。
車両正面に書かれていたTilt Trainの文字も消去されました。
また、車両ドアは全て黄色となりました。


ローマストリート駅に停車中のティルトトレイン。


パンタグラフ。

25kv対応のシングルアームパンタグラフを採用しています。
2両目と5両目の計2機が設置されています。


乗降扉。

片開きのプラグインドアを採用しています。
押しボタンによる半自動操作にも対応しています。


LED式行先表示機。

始発駅では、号車番号も表示します。(Car D 等)
2015年のリニューアル工事で無料WiFiを搭載しました。


扉下ステップ。

扉が開くとステップが開き、ホームとの隙間を少なくします。
製造元である日立のロゴが描かれています。
左隣のロゴは、オーストラリアのエンジニアリング会社のウォーカーズリミテッドです。


ビジネスシート車内。

2+1のリクライニングシートが並んでいます。
間接照明を多用した落ち着いた車内です。



一人掛けビジネスシート。

一人の利用でも相席にならない一人掛けの座席です。
オーストラリアの列車において一人掛けの座席は、非常に珍しい存在です。
その他の一人掛けの座席を連結している列車としては、ジ・オーバーランドの レッドプレミアムが存在します。

リクライニングの傾斜もそれなりにあるので、長い乗車時間でも快適に過ごせます。


肘掛カップテーブル。

肘掛のカップテーブルを備えているのはビジネスシートのみです。
少々頼りないため、今回は使いませんでした。
こちら側の肘掛には、オーディオサービスのパネルが設置されています。


二人掛けビジネスシート。

座席の間にオーディオパネル及びカップテーブルがあるため、仕切りが太く、動かすことはできません。


フットレスト。

足元にあるフットレストは、普段は跳ね上がっているので、使用するときに自分の足で降ろします。
足を上げると、自動的に跳ね上がります。


コンセント。

オセアニアタイプのコンセントが2口設置されています。
コンセントは一人掛けの席でも二人掛けの席でも同じです。


通路上の案内表示機。

駅間が長いため、大半の時間は映画などエンターテイメントが流れています。
この液晶は片側のみに設置され、進行方向と反対側には液晶はありません。


ビジネスシート車内(進行方向)

通路上の液晶がこちらを向いています。
荷物棚は航空機と同じ、フタが閉まるタイプです。
このタイプは見た目に関してはスッキリしますが、荷物の入る量が少なかったり、出し入れがしにくいなど、 実用性はイマイチです。


運室後部。

簡易デッキを挟んで、運転室があります。
運転室寄りの座席は液晶画面が左右にそれぞれ設置してあります。


運転室後部デッキ。

客室とは扉で仕切られていない簡易デッキです。
前面展望はできません。
この簡易デッキのドアは非常用のため、駅に着いても開きません。


エコノミー車内。

2+2のリクライニングシートが並んでいます。
ビジネスクラス同様に、フタ付ききの荷物棚と、通路上に液晶が設置されています。
画像では進行方向と反対を向いているため、液晶は見えません。
照明はビジネスクラスと同じく間接照明を使用しています。


エコノミー座席。

二人掛けのリクライニングシートです。
肘掛にオーディオサービスがありますが、ビジネスシートとは違い、カップテーブルは省略されています。
リクライニングの角度も少し浅くなっています。


エコノミー車内(進行方向)

通路上の液晶がこちらを向いています。


運転室後部。

エコノミーの方は、客室からデッキを挟まずに運転室に繋がっています。
こちらも前面展望はできません。


エコノミーデッキ仕切りドア。

デッキ仕切りドアは全ての車両がタイプです。
  エコノミーも客室最前部は妻面左右に液晶が設置されています。


デッキとの仕切りドアは押しボタンによる半自動式です。


売店横通路入り口。

売店はビジネスクラスの隣の車両、エコノミー車両の一部に設置されています。
画像は売店の乗務員用扉。
利用客は左の通路を通ります。


売店横通路。

売店スペースに圧迫され、非常に狭いです。
商品を購入した人とのすれ違いは困難ですが、この通路を通らなければならない人はビジネスクラス の利用者に限られるため、実用には問題ありません。


通路を抜けるよ、すぐに売店の窓口があります。


売店。

メニューが張られています。
販売商品の陳列はされていないため、メニューを見て注文する必要があります。
暖かい飲み物や食べ物、ジュースなど一通り揃っています。


売店の中も狭そうで、冷蔵ケースやオーブンが並んでいます。

売店の店員は乗務員が兼務しているため、駅発着時は売店は閉まっています。


売店には飲食できるスペースが無いため、購入したものは自分の座席で楽しむ形になります。

ミートパイとソーセージロール、フルーツを購入しました。


各デッキには、大型荷物の収容スペースがあります。
また、飲料水のサービスもあります。


デッキの飲料水サービス。
紙コップを取り、レバーを操作して水を汲みます。
飲み終えた後の紙コップを捨てるゴミ箱もセットされています。


車両間には扉は無く、隣の車両とは幌で繋がっているだけで仕切られてはいません。


トイレはデッキの乗降扉のすぐ前にあります。



トイレ内部。

車椅子でも利用可能なバリアフリーのトイレです。


手荷物車内持込可能サイズ計測器。

ティルトトレインの頭上の荷物棚はフタ付きのため容量が小さく、登場時は持ち込めるサイズかを チェックする計測器がホームに設置されていました。
LCCのカウンターでよく見かけるものと似ていますが、預け荷物にしても別料金はかかりません。

ロックハンプトンにあるアーチャーパーク博物館にて。


ギンピーノース駅に入線するロックハンプトン行きのティルトトレイン。


ギンピーノース駅を発車し、ブリスベンへ向かうティルトトレイン。


ギンピーノースの丘陵地帯を走るティルトトレイン。


ギンピーノース駅を発車し、ブリスベンへ向かうティルトトレイン。
振り子式車両のためか、屋根上がすっきりしています。


ギンピーノースを出発し、ブリスベンへ向けて加速するティルトトレイン。


夜のロックハンプトン駅に到着したティルトトレイン。

乗客はさっさと迎えに来た車に乗り込んでいきます。


ロックハンプトンに到着した最終のティルトトレイン。
翌朝の始発列車となりますが、ホームでの夜間停泊はせず、車庫に引き上げます。
その際に、編成ごと方向転換をしていると思われます。


ロックハンプトンを発車するティルトトレイン回送列車+走行映像の4K映像集です。
大陸鉄道らしい警笛が魅力的です。


---おまけ---

ロックハンプトン駅には柵で囲われた切欠きホームがあります。
ロックハンプトンを紹介しているサイトにて、この場所に古いイベント用の車両が ずっと置いてあるということが紹介されていました。
そこに写真に写っていたのはクイーンズランドレールの2000型気動車でした。同形の車両が ジグザク鉄道にも在籍しています。 紹介された写真は恐らく20年近く前に撮影されたものなので、流石に今はいないだろうと 思いつつもその場所を除くと、当然ながら、2000クラス気動車はいませんでした。
変わりに?奥のほうにディーゼル機関車が留置されていました。これは保存ではなく、ただの入換え作業の一環のようですが。


ロックハンプトン駅構内。

敷地の殆どが貨物用となっており、ティルトトレインの発着する旅客ホームは画像の右側 あたりにありますが、端っこすぎて写っていません。
左のホームは、貨物列車のための職員用ホームです。


一つ上の写真を良く見ると、なんと例の2000クラス気動車が車庫の中にひっそりと保管されていました!!!

撮影時はその存在に気付いておらず、帰国してパソコンに取り込んだ写真を見て発見しました。
多くの2000クラス気動車は各地の保存鉄道で大切に保存、運転されていますが、ロックハンプトン駅の車両 に関しては保存団体が所有しているわけではなさそうだったので、流石に20年近くも同じ場所には 置いていないと思っていました。


さらに拡大。

車両番号はわかりませんが、確かに2000型気動車です。
2000クラス気動車は1956-1971年の間に42両が製造されました。
22両が民間や保存鉄道によって保存、15両が廃棄され、3両がケアンズの観光列車サバンナランダー、 2両がオーストラリア最大の貨物鉄道会社オーリゾンの保線車両として現役です。
オーリゾンはケアンズからロックハンプトンを通ってブリスベンに向かう貨物列車を多数 運行しているため、この車両はオーリゾン所有の保線車両かもしれません。


オーストラリアの大地を駆け抜ける日立製特急電車ティルトトレイン。
ブリスベンからロックハンプトンまで全区間で7時間半の旅。
同区間は飛行機で1時間半程なので、組み合わせれば全区間乗車の日帰り旅行も可能です。



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