プロスペクター
Prospector

プロスペクターはイーストパースから金鉱の町カルグーリーまでの653kmを6時間45分で結ぶ長距離列車です。
最高速度は160kmで、オーストラリア最速の気動車です。

パースから東へ向かう線路が標準機に改軌され、西オーストラリア州政府の判断でパースとカルグーリーの鉄道サービスを夜行列車から昼行列車に切り替えることになりました。
1971年11月29日、夜行列車の置き換えで誕生したのがプロスペクターです。
登場当初のプロスペクターは最高速度130kmで、それまで14時間掛かっていた所要時間を8時間まで短縮しました。
当時の平均速度は85kmで、プロスペクターはオーストラリアで最も速い列車となりました。


2004年6月28日、プロスペクターの新型車両であるWDAクラスが営業を開始しました。
WDAクラスは最高速度が160kmに引き上げられ、それまで8時間の所要時間を6時間45分に短縮しました。
WDAクラスは設計上は200kmでの走行も可能ですが、線路状態を考慮した160km運転に抑えられています。


WDAクラスの編成の製造はユナイテッドゴニアン
WDAとWDB、WDC の3タイプの車両があり、

WDA…運転台、ビュッフェ付き車両
WDC…中間車両
WDB…運転台付き車両
となっています。
編成は
パース← WDB+WDC+WDA →カルグーリー
の3両編成となっています。T中間車両を抜いた2両編成で運行されることもあります。

なお、それまで使用していた旧型車両はエイボンリンク、メレディンリンクに転用されました。


本来は行き先表示機が設置されそうな場所には車両番号が表示されています。
一般的な行先表示機と同じようにバックライトが搭載されており、夜間でも視認性を確保しています。 画像はWDAクラスのトップナンバーであるWDA001


客室扉はプラグドアとなっています。
西オーストラリア州の長距離列車において初めて採用されました。
運転室には乗務員用扉はありません。


扉は乗降整理やホームが扉1つ分しかない駅が多いことから、運用においては乗務員がドアコックにて扉操作をすることがほとんど のようです。
入り口には号車札が刺さっております。


車内。
車内はモノクラスで、全ての車両が2+2の回転クロスシートとなっています。
荷物棚は頭上にあり、航空機の荷物入れを意識したフタの閉まる造りとなっています。


荷物入れの扉を全て閉めると見通しの良いスッキリとした車内環境になります。


車両中央はディーゼル駆動関連の機器があるため、仕切りのように客室を分けるような状態となっています。
天井にある黒い2つの物体は監視カメラです。


客室内デッキ扉上部
トイレの使用状況を表示するランプがあります。
黒いのは監視カメラで、客室内には4つ設置されているようです。


座席は二人掛けの回転クロスシートが2列づつ設置されています。
座席の背面には液晶が設置されており、エンターテイメントサービスを楽しむことができます。


デッキ前の座席には、妻面に液晶画面が設置されています。


座席。
フリーストップの回転リクライニングシートとなっています。
座席にはエンターテイメントサービス用のイヤホンが予め置かれています。


座席背面のテーブルと液晶画面。
液晶は航空機と同じようにリクライニングに対応するよう角度が手動で調節できます。


ミッドランド駅を発車した際、車内設備の案内のビデオが流れます。
この映像は後で液晶を操作して自由に閲覧することができます。
このオープニング映像では狭軌と標準軌のデュアルゲージ区間を走行しています。
なお、プロスペクターは標準軌の線路を走行しています。


客室設備の案内をする液晶。


ホームが無い駅がいくつかあるため、その際はステップを利用して下車する旨の案内。


ビュッフェのメニューを見ることもできます。
なお操作はタッチパネルで、レスポンスもそれなりでした。


そして、この液晶サービスにはリアルタイムの前面展望映像も用意されています。
基本的に前が見えない車両ばかりのオーストラリアにおいてこのようなサービスは非常に珍しいです。
映像は実際よりやや遅れがありますが、車内設備案内のビデオが流れる時以外は常に楽しむことができます。


前面展望映像のおかげで、駅間で停車してしまった際も状況が把握しやすくなっています。
この場合だと停止信号の先に作業員が見えるので、軌道に関するトラブルでしょうか!?



座席背面のテーブル。
テーブルのアームは座席の根元から伸びているため、前の乗客のリクライニング角度の影響を受けません。

…が、テーブルの固定がいまいち甘いのか、前の乗客が動くとテーブルも連動して振動が発生しました。
実際にスープの満たされたカップをテーブルに載せている状態で前の乗客が勢いよく着席してしまい、テーブルが揺れてスープはこぼれてしまいました。



足元にある足置き。
使用しないときは畳んで収納することができます。


窓側座席の足元にはコンセントが2口設置されています。
コンセントを差し込んだ後にボタンを押すと電源が流れる、オーストラリアでは一般的なものとなっています。


頭上には手元を照らすスポットライトが1席当たり1つ備えられています。


デッキです。
トイレと給水設備があります。


給水設備には紙コップが常備され、自由に利用できます。


大型の荷物収納スペースもあります。
客室内頭上の荷物棚に入らないスーツケースなどの保管場所となっています。


トイレと大型荷物スペースの奥に客室があります。


車両間は押しボタン式の半自動扉で仕切られています。
自由に移動することができます。

なお乗車率が低いときは締め切ることもあるようです。


カルグーリー方面の先頭車WDAにはトイレの奥の客室内にビュッフェがあります。


ビュッフェは営業時間外はシャッターが閉められています。
営業時間は車内放送でも案内があります。


営業開始したビュッフェ。
メニューは座席の液晶でも確認することができます。


ビュッフェのメニューです。


車内にある注意書き。
どうやら18歳未満のみの利用はできないようです。


ビュッフェで購入したパンと、オーストラリアではお馴染みのミートパイです。
特にパイはパンくずがよく出ます。
長距離列車を除くと車内での飲食が禁止されている地方が多いですが、飲食をすると周辺が必ず汚れるパイなどの食べ物が主流なため禁止されるようです。


コーヒーとスープ。
どちらもインスタントですが、車内で暖かい食事を摂ることが日本では難しくなっているため、貴重な体験です。
ちなみにこの撮影のすぐ後に前の乗客が勢いよく着席(その後も何回か座り直したため)した振動でテーブルは大惨事になりました。



運転室後部のデッキ。
前面展望はできません。
逆に運転席からは監視カメラでこちらの様子がわかるようです。




3両編成のプロスペクターの車内案内です。




2両編成のプロスペクターの車内案内です。




注意事項です。


プロスペクターの走行動画集です。


イーストパースからミッドランドまでの側面展望映像です。
途中のトランスパースの駅は全て通過するものの、普通列車の間を縫うように走るダイヤとなっているため低速走行となっています。
防音はしっかりしており、高速運転でも騒音は気になりません。




パースのビル群を背景にカルグーリを目指すプロスペクター
州都パースから西オーストラリア州を横断するプロスペクターは州の顔とも言える列車です。


---PR---


TOP