クーマ・モナロ鉄道 車両紹介
Cooma Monaro Railway RollingStock

クーマモナロ鉄道はシドニーから400km、キャンベラから120kmほど南に位置するニューサウスウェールズ州クーマにある保存鉄道です。
CPH型気動車が4両、動態保存されております。

※2015年2月現在、路盤強化工事のため当面運休しているようです。

CPH型気動車は1923年から地方路線、支線運用を目的にニューサウスウェールズ政府鉄道によって導入されました。
合計で37両が製造されました。
現在27両が保存され、その内の4両がクーマモナロ鉄道に保存されています。


CPH型気動車は片方の運転席上部に大型のラジエーターを搭載しており、この風貌からスズウサギという愛称がついているようです。


客室を真中の荷物兼車掌室で2つに分けた構造はJR九州のハイパーサルーンを思わせます。


CPH型気動車は従来の車両と比較して軽量化が図られました。
台枠はボルトやリベットを使用せず、溶接によって組み上げられました。
この施工方法は後の車両設計の基準となりました。
また、車体は松や杉を使用した木製となっています。


CPHナンバー6は最初にクーマモナロ鉄道を走行した車両です。
1995年11月に再び自走できるようになりました。


運転席の様子。 客室との仕切りが左右にあり、後部の扉を閉めれば運転室と客室を隔てることができます。


左右には助手席が設けられております。
クーマモナロ鉄道においては旅客が自由に着席できます。
前面展望に最適です。


車内は階級で区画が分かれており、エコノミークラスとファーストクラスの間に荷物兼車掌室があります。
当時の旅客の座席定員は45人でした。
(|扉|[エコノミー][荷物兼|扉|車掌室][ファースト|扉|])


エコノミークラス。
シドニー近郊列車ではお馴染みの回転式クロスシートが2+2で並んでいます。
当時の座席定員は24人でした。


ファーストクラス。
こちらも回転式クロスシートが2+2で並んでいます。
当時の座席定員は21人でした。

エコノミークラスとファーストクラスで快適性で特に差はありません。
クーマモナロ鉄道では全て自由席でした。



エコノミークラスとファーストクラスの間に荷物兼車掌室があります。


旅客用扉は運転台後部にそれぞれ設置され、真ん中に荷物兼車掌室の扉があります。


車内の照明です。


CPHナンバー22は1998年3月に自走できるようになりました。
CPHナンバー6での修復技術が活用されたため、復活も早かったようです。


CPHナンバー22(左)と並ぶCPHナンバー6(右)
外観や車内設備は同等と思われます。


CPHナンバー8は修復作業中でした。(2012年時点)
CPH型気動車の特徴である運転台上部のラジエーターも設置されておりません。


CPHナンバー8の車内の様子。
まだ内装は絶賛修復中のため、車内はがらんどうでした。


CTHナンバー55はモーターの無いトレーラーのビュッフェ車です。
外装はCPHに似ていますが、モーターが無いためラジエーターが設置されていません。
CPHでいう荷物室に当たる箇所がトイレとなっているため、真中の扉が省略されています。 また、運転台も片側のみとなっています。
運転台がない妻面はライト等の灯具類が省略されています。


車内は
([運転台 調理カウンター][トイレ][食堂])
の3つの区画に分かれています


食堂の様子。
通路と平行に座席と机が並ぶ区画と、ボックスシートに机が配置されている区画があり、簡単な仕切りで区切られています。


調理カウンターの区画。


カウンターの向かいには流し台が設置されています。


運転台。


クーマ駅引込み線に置かれている貨車。
パウダーバンと呼ばれている、爆薬運搬用の貨車です。
2011年にクーマ駅に運ばれてきたそうです。




のどかな風景の中、1924年製の気動車に揺られる1日は、とても贅沢でした。


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