世界初の太陽光駆動電車 バイロンベイ鉄道
World's First Solar-Powered, Byron Bay Train

オーストラリア最東端に位置するバイロンベイ。
ここには廃線跡を利用し、世界初となる太陽光駆動電車を走らせるバイロンベイ鉄道があります。

2017年12月16日、バイロンベイ鉄道は、太陽光で発電した電力だけで走行する電車の運行を開始しました。 太陽光だけを動力源とする「ソーラー電車」は、世界で初めてとなります。

バイロンベイ鉄道が走っているのは、ニューサウスウェールズ州のノースコースト線カシーノから分岐し、 マーウィランバまでを結んでいた132kmの支線、マーウィランバ線のバイロンベイ駅付近より北に3kmまでの区間です。
マーウィランバ線は2004年5月に廃止となりました。


バイロンベイ鉄道の起点、バイロンビーチ駅。

観光の街、バイロンベイのインフォメーションセンターから500m程、比較的中心地にバイロンビーチ駅があります。
バイロンベイのインフォメーションセンターは、廃線となったマーウィランバ線のバイロンベイ駅を転用したものですが、 すぐ近くの幹線道路の踏切を復旧させなかったため、少し離れたこの位置に駅を新設しました。


バイロンビーチ駅のプラットホーム。

仮設駅のような片側1面構造です。
ホームは1両分しかないため、2両目はホームからはみ出して停車します。


バイロンビーチ駅より、かつてのバイロンベイ駅方面を望む。

バイロンベイ駅の方が街の中心に位置しますが、画像にある踏切を復活させなかったため、バイロンベイ駅からの 発着は見合わせました。
オーストラリアの保存鉄道において踏切の復活自体は不可能ではありませんが、この道路は交通量の多い幹線道路なので 条件が厳しかったと思われます。


腕木式信号機跡。

かつてのバイロンベイ駅構内用の信号機と思われます。
バイロンベイ鉄道の看板に転用されています。


バイロンビーチ駅の駅名表。


バイロンベイ鉄道の路線図。

バイロンビーチ駅とノースビーチ駅の2駅間を往復するシンプルな路線です。
3kmを10分で結びます。
運賃は大人4$、子供は大人の半額です。
切符は車内で購入できます。(クレジットカード対応)
終点のノースビーチ駅にはこれといった施設は無いため、殆どの人が往復利用すると思われます。


バイロンベイ鉄道の時刻表。

基本は毎時1本ですが、12時代はコアタイムのようで1時間に2本設定されています。
オーストラリアの保存鉄道は1日1往復のみというのも珍しくない中、トップクラスの運転本数です。
観光地であるバイロンベイを訪れた旅行者のちょっとしたアトラクション的な要素が強いためか、 充実した本数が用意されています。
乗り鉄と撮り鉄の両方を満喫できそうです。


単純な乗車の他に、昼食と一緒になったランチセットプランも発売されているようです。


ノースビーチ方面。
さらには本当の終点、マーウィランバまで続いている線路です。

左にはシドニーセントラルからのキロポストが設置されています。
シドニーから883kmも離れており、同じ州でありながら飛行機を使用しない限り日帰りは不可能です。


バイロンビーチ駅に入線する、世界初の太陽光駆動電車。

最新技術で駆動しているとは思えないようなレトロな車体です。
この車両は1949年製の600/700クラス気動車です。
この車両は2両1編成で、600番台が駆動車、700番台がトレーラー車でした。


バイロンビーチ駅の883キロポストを通過。

600/700クラス気動車はニューサウスウェールズ州の支線用気動車として導入され、末期はニューカッスルや ウーロンゴンで活躍していました。
このマーウィランバ線は600/700クラス気動車の改良型である620/720クラス気動車が活躍しており、この600/700クラス気動車 は走っていなかったようです。
なお、マーウィランバ線の車両は1990年からXPTに置き換わり、そのまま2004年の路線廃止まで 活躍しました。


FPH661

モーター車です。
1949年登場後、1973年にカミンズ製のGMデトロイトディーゼル6/71エンジンに換装され、パワーアップしました。
現在も充電不足に備えてディーゼルエンジンは残してありますが、電力不足に陥ったために使用したことは無いそうです。 ディーゼルエンジンと充電によるモーター駆動のハイブリット車両です。


FPH661の車内

2+2の転換クロスシートが並んでいます。
赤茶色の座席がレトロな雰囲気です。


時代を感じさせる重厚なシートです。
座席の転換は現在のような背もたれが垂直に移動するものではなく、背もたれが半回転する構造です。 そのため、背中が当たる面は常に同じです。


座席の間隔はあまり広くなく、ボックスに4人で座った場合、向かいの人に膝が当たってしまいそうです。
600/700クラス気動車は支線用で長時間の乗車は考慮されていないため、この座席間隔でも十分と判断された と思われます。


バッテリー装置が搭載されています。


NTC726

こちらは制御装置付トレーラー車です。 モーター車の661とペアを組んでいたのは761でしたが、761は1960年台に山火事で消失しました。
761の代替新造で726が導入され、661とペアを組むことになりました。
そのため、同じ編成でもバイロンビーチ側の661よりもノースビーチ側の726の方が10年程新しい車両となります。


NTC726車内。

こちらも2+2の転換クロスシートが並んでいます。
761の方とは異なり、こちらのシートは青色です。


座席間隔等は、761と同じようです。


NTC726運転台。

当時の運転台に、現在の基準に合わせて一部改良が加えられているようです。


NTC726スピードメーター。

営業最高速度の35kmを指しています。
この運転中は、このスピードメーターが速度を刻む音がずっとカチカチと鳴り響いていました。


NTC726運転室。

助手席側には大きなハンドブレーキがあります。


屋根に設置されたソーラーパネル。

ソーラーパネルは車体の屋根の他に、駅や車庫の屋根にもあり、それらが発電した電力を使用して走行しています。
この日は殆ど曇りであったため発電量は極めて少なかったのではないかと思われますが、 ディーゼルエンジンに頼ることなく走行していました。


バイロンビーチ駅を発車。

カーブを曲がると終点のノースビーチ駅までひたすら直線となっています。
左の線路は、バイロン駅構内から続いていた引込み線と思われます。


バイロンビーチからノースビーチへ向けて走行。

沿線はあまり立ち入れるところが無いため、撮影場所は線路上にある踏切1箇所と橋梁1箇所に限られます。


バイロンビーチ駅を出発し、ノースビーチを目指します。

手前に、先ほど見えたバイロン駅構内から続く引込み線が顔を出しています。


一つ上の画像と同じ場所から、線路を挟んで反対から撮影。

本当は最大の特徴であるソーラーパネルが載った屋根が写るように俯瞰気味な写真を撮影したいところですが、 そのようなお立ち台は見つかりませんでした。


ケンダルストリート踏切を通過。

ケンダルストリート踏切はバイロンベイ鉄道唯一の踏切です。
バイロンベイ鉄道の中間付近に位置します。 この踏切は車も通りますが、通行量が少ないため、復活できたようです。
このケンダルストリート踏切の近くには路線バスがある他、ゴールドコーストからのシャトルバスもこの踏切の傍を 通ります。(どちらも平行道路を走るだけで、交差はしません)
今回はゴールドコースト空港からのツアー式シャトルバスでバイロンベイに向かっていたため、この踏切の傍で 降ろしてもらいました。


ベロンギルクリーク橋を通過。

ベロンギルクリーク橋はバイロンベイ鉄道唯一の橋梁です。
ちょうど2両分が収まる小さめの橋梁です。
この周辺は湿地帯となっており、この橋の近くまで行く方法はありません。
この川辺にはモーテルがいくつも並んでいるため、何れかに宿泊すれば少し違った構図で撮影できるかもしれません。
ここから終点のノースビーチ駅までは直線距離で1kmを切っていますが、この川を渡る道がないためケンダルストリート 踏切まで戻る必要があります。


ノースビーチ駅に到着。

バイロンビーチ駅と比較すると、こちらの法が車庫や事務所を併設していることもあり立派な造りになっています。
ノースビーチ駅に到着すると、発車時刻の10分程前まで施錠され、車内に入ることはできません。


プラットホームはバイロンビーチ駅と同じく、1両分しかありません。
2両目がはみ出した形で停車しています。


ノースビーチ駅の駅名表。


ノースビーチ駅全景。

片側1面1線のシンプルな構造です。
背後の建物に車庫があり、ホーム停車から入庫する際は一旦本線上をスイッチバックします。
ノースビーチ駅に車庫があるため、始発、最終はノースビーチ駅発着ですが、街から離れているこの駅を 起点、終点とする人は殆どいないと思われます。そのため、最終便が無人の場合はホームに入らずにそのまま入庫して いるような気がします。


バイロンベイ鉄道の線路はノースビーチ駅で終了しますが、線路自体はまだまだ続いています。


振り返り、マーウィンバラ方面を望む。

自然に帰りつつありますが、整備すれば車両の通行もできそうです。
左にシドニーからの886キロポストが立っています。


ケンダルストリート踏切より。
バイロンベイ駅方面から続く引込み線跡が本線と平行して伸びていましたが、その引込み線跡からさらに分岐する 形で車庫のような建物が目に付きます。


よく見るとこの建物、線路が伸びています。
かつて何かしらの車両を入れていたと思われます。
建物自体は落書きされ、放置されているようにも見えます。

このような如何にも車両が隠されているような建物は、実際に覗いてみるとただの倉庫であったりと、とにかく 期待しているようなブツは何もないことが多いです。
大した期待もせず、隙間から中を除くと・・・


なんと!鉄道車両が保管されていました!!!

車体は綺麗に保たれていてレール上に乗っています。
風貌からすると凸型のディーゼル機関車のようにも見えます。
中央にはエンブレムの跡のようなものがありますが、既に撤去されているため内容はわかりません。
鎖とオイルダンパーによる連結設備は、相当古い時代のものではないかと思われます。


この建物は正面以外に隙間は無く、反対側の状況はわかりませんでした。

とにかく、このような何気ない倉庫に鉄道車両が保管されていたとは驚きです。


バイロンベイ鉄道の往復全区間4K前面展望映像&沿線撮影の動画集です。
カチカチ鳴り続ける音は、スピードメーターが速度を刻んている音らしいです。


オーストラリア大陸の最東端バイロンベイを走る太陽光電車。
ゴールドコーストからわずか1時間程で、世界唯一の体験をすることができます。


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